40 / 41

第15話-2

「まあ、僕は竜ちゃんの自由恋愛を邪魔したりはしないからさ。でも、瀬戸くんに愛想尽かしたら、僕のとこにおいで、竜ちゃん」 りょーちんの言葉に、瀬戸が睨みながら言う。 「愛想尽かされるとか、ありえねえんだよ。俺は竜司のためなら何でもできるんだから。 おい、亮平、おまえは黙って、その定食の唐揚げ食ってろ」 「あーひどーい、僕、唐揚げにはレモンはかけない派なんだよ。なんで勝手にかけちゃうのさ、瀬戸くん」 「うるせえレモンに罪はねえだろ。おい亮平、おまえは唐揚げ定食食うときに、いつもレモンを無視すんのかよ。レモンの気持ちになってみろよ。かわいそうだろ」 「あーもう、うるせえ!おまえら食事中にケンカすんな!」 りょーちんと瀬戸のケンカを仲裁するオレ。頼むから、もう少し仲良くなってくれ! こうして戻ってきた、オレたちのバカな日常。 ただ、以前とひとつだけ違うことは。 今、オレのとなりには、オレの全てをかけて守りたい、大切な人がいる、ということだ。 了

ともだちにシェアしよう!