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幼馴染み⑫
離れたくなかった。
…もぅ、なんでなのか分かっている。
俺は優時の事が好きなんだ。
そう想うだけで、胸がいっぱいになった。
もっと もっととキスをねだる。
少しの隙間も作りたくない。
「んむっ…はぁ、優、時…」
「…ん?」
荒い呼吸を繰り返し、獣みたいに瞳をギラつかせているのに、俺の声に応える優時の声はとても優しい。
「ゆ、ゆぅ…優時、優時」
それがどうにも嬉しくて嬉しくて、優時の制服をぎゅっと握りしめる。
「ゆ、じぃ…、優時…」
目の奥が熱くなる。
必死に堪えるけど、多分、俺は泣いてしまう。その前に、俺は優時の胸に顔をうずめた。
「…楓?」
優しく頭を撫でられ、我慢してた涙があっという間にこぼれた。
この温かい手を離したくない。
俺以外、誰にも触れて欲しくない。
誰にも…渡したくない。
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