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第24話 〈清視点〉
昨日の事…
俺は羽柴組が束ねている大きめのアジトの自室で退屈しながら外を見ていた
「なんか面白い事ないかな……。」
イスに座りながら、机に頬杖をつく
すると、何回かのノックと共に何か企むような顔をした一人の男が俺の部屋に入ってきた
「総長っ‼」
話かけられるものの、誰だか全く分からない
人の名前を覚えるのは正直苦手だから…
「ん?あぁー、鹿島組のー…」
忘れていると悟られないようポーカーフェイスで話し出すと彼の方から名乗ってくれた
「佐介です。鹿島組組長の鹿島佐介(さすけ)。」
「そうそう。」
(全然覚えてなかったけど。)
にこにこと笑いながら同意すると彼が俺に何の用なのかを聞いた
「…んで?何の用?」
「俺達今から、ちょーっと面白い事しに行くんすけど、一緒にどうすか?」
"面白い事…"
俺はそれに食いつき詳しく訳を聞く
「何しに行くの?…あ、飲んだりは行かないからね。」
(お前らと飲むんだったら、羽柴の親父と飲んだ方がよっぽどましだもしね…)
「違いますよー。この写真みて下さい。」
そう言うと一枚の写真を俺に渡してくる
白髪の斜めに切り揃えられた前髪にふわふわの後ろ髪、それに合わせた長いまつげの大きな青い瞳、バイトなのか制服姿で可愛らしく微笑む笑顔が男心をグッと掴む
「…ん?何この女の子。」
(まぁ、可愛いから女の子だよね…これ)
「あ、やっぱり女に見えます?」
鹿島は俺の発言に得意げになり、にやりと笑いながら俺に言う
「え?女の子じゃないの?」
女じゃないとしたら考えられるのはただ一つ
「実は…、男なんすよ。こいつ。」
よく見ると、下にはいているのはズボン
バイトの制服となると女の子の制服は大体スカートだ
「ふーん……。で?この子をどうするの?」
俺はこんな可愛い男の子がこの世にもいるんだと思いながら鹿島に聞く
「何を言ってるんですかー。やることと言ったら、一つしかないですよー。」
そう言うか否、俺の耳元に顔を近づけてきある事を囁いた
あー、なんだ。そういう事か…。
そう、この時誘われたのが波留を捕まえて無理やり強姦…つまりレイプだ。
何度か立ち会った事はあったし、実際にヤったりもした。だから今回も同じ感じだろう…そう思って了承した
「……ん。解った。」
「流石っす総長‼じゃあ、今日の夜この写真の奴がバイトから帰る時を狙っていつもの場所でヤります。」
いつもの場所というのは、数年前に潰された工場の倉庫の事を意味する
「名前は?」
一応の事で紹介を聞くと彼はすんなりと答えた
「成宮波留って言うみたいです。…うちの組の者が目をつけてたらしくて、情報はあいつらが持ってます。知りたかったら聞いて下さい。」
(目をつけてたって…ただのストーカーじゃん。それ…)
俺は写真をもう一度見直し、波留の笑顔を指で撫でた
「波留くんかー……。解った、聞きたくなったら聞くね」
「解りましたっ。では、また後で迎えに行きます。」
鹿島はそう言うと足早に俺の部屋から出ていった
「はーい。」
(波留くん。君も災難だね…、本当に……)
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