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第25話〈清視点〉

俺は鹿島組の迎えが来る前に支度をするため、別室の猇の部屋を訪れていた 扉を開けると、いつもの様にタバコをふかして書類に目を通している猇の姿がある 「猇ー。今日の夜ちょっと出かけてくるねー。」 少しの間があいてから、猇が顔をあげた 「あ?何しに行くんだ?」 咥えていたタバコを灰皿に押し付け、俺が何をしに行くのかを聞いてくる 「いやー…、この子に会いに行くの。」 俺はそう言って先程、鹿島組の奴からもらった写真を猇に見せた 「…なんだこの貧相な身体の女は。」 貧相……そりゃ、女の子じゃないからね…。 猇の発言にコクコクと頷きながらも真実を教えてあげる 「猇も女の子だと思った?男の子なんだってー、この子。」 するとそこから察したのか猇が俺を引くような目で見てきた 「お前……、また余計な事を…。」 溜息をつく猇に付け足しで伝える 「俺は、見てるだけかな?…今はヤりたいと思わないし。」 「そうかよ。…持って帰ってくんなよ。」 信じていない猇の目に俺は黙って頷いた まぁ、何度かこういう事やってるし、その度に持って帰っちゃう癖があるからしゃーないか。 「その時の気分かな?……あとさ車借りてくね。」 俺と猇は一台の車を二人で共同で使っている 「おー…。真尋かバイクで帰れって事だろ」 そんな事に慣れている猇は下を向きながら俺の言いたかった事を自ら言う 「わかってるーぅ。……終わったら、ちゃんと仕事するからさ。」 「おー…、俺の倍な。」 「はーい……。じゃあ、そろそろ行ってくる。」 俺は猇に言い終えると手を振って部屋を出た (はぁー…猇の仕事の二倍か……これから寝れなそう…)

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