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第30話
現在
「…って言う訳です。」
清は話した後、溜息をつきながら下を向いた
「お前ら……、無闇やたらに男を抱くなって何度言ったら解るんだ。…まぁ、お前が改心すればあいつ等も変わるだろう。」
向かいに座る真尋が眼鏡を押し上げながら清に言ってくる
「はーい。改心します。」
「でも、さっきの波留って奴。本当に可愛かったすね」
そう呟くように言った光樹に真尋が小突いた
「おい。お前。」
「痛い痛い、真尋さん。俺、総長みたいな事しないっすよー。ただ普通に友達になりたいって言うかなんて言うか……」
小突かれながら光樹が言う
(それは俺にも喧嘩を売っているのかな…?…ん?)
「でも、お前が近くにいれば波留も安心かもしれないな……。」
「まぁ…解らなくもないけどね…。」
俺は隣に座る猇に向かって言うと目の前にいる光樹が顔を明るくさせる
「マジっすか‼…よっしゃ、友達になろ。」
犬の様に喜ぶ光樹に猇が笑う
「いいじゃねーか。歳だってそう離れてないだろ?」
「うん19歳だってね、波留。」
「お‼俺の一個下じゃないすか‼」
ひゅーと口笛を鳴らし、ガッツポーズをする光樹に清も思わず笑ってしまう
「変な光樹ー。」
清達の話が盛り上がる中、隣の部屋から波留の喘ぐような声が聞こえてきた
「んぁっ…あぁ…きもち…。」
清達の動きがピタリと止まる
(何やってるんだよ、親父‼)
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