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後日談『トカプチの恋心』
「はぁ……もう満腹だよ」
「そうか、よかったな」
甘くて美味しいロウのものを沢山飲ませてもらって、腹が苦しい程一杯になった。俺の乳もたんまりと吸われ、ロウのものを躰の最奥で沢山受け止め、結局なかなかハードな営みをしてしまった。
母さんや父さんに聞かれてないよな?俺の感じちゃってる声……早く服を整えて……呼びにいかないと。でも正直なところもう起き上がる気力がなく、ぐったりだ。
「トカプチ、疲れたな。さぁ清めてやるから、腕をあげろ」
「う……ん」
ロウが俺の甕に貯めた水で布を絞って、俺の躰を丁寧に拭いてくれた。指先からつま先まで、今までのロウにはない動きをする。ますますロウが俺に近づいてきてくれているようで嬉しくなる。
「冷たくないか」
「うん、大丈夫だ。あぁ……さっぱりするよ。なぁ父さんと母さんは?」
「まだ戻ってこないな」
「そうか……なんか俺、眠くて……迎えに行けないし、待ってられないかも……ごめん」
「今日はもうこのまま寝ていいぞ。オレが朝まで守ってやるから」
「う……ん、トイはどうしてる?」
「目論見通りぐっすり眠っているから安心しろ」
「そ……う、なら……よかった」
「トカプチは、もう休め」
ロウは力強く俺のことを岩場から抱き上げ……結局両親に寝てもらうはずの藁のベッドにポンっと降ろした。
「……ん……ここ……本当に大丈夫かな」
「たぶんお前のご両親もお楽しみ中だろう」
「え……なんのこと?」
「いいからもうお子様は寝ろ」
「酷いなぁ」
何故かロウもトイと一緒にベッドに潜り込んできた。
「ロウも寝るのか」
「あぁ今日はオレも疲れた。人の躰は疲れやすいな」
「ロウも俺の気持ち分かるようになったんだな。いいよ。ロウも一緒に……」
親子三人でくっついて眠る。
いつもの光景が戻ってきたことが嬉しくて、ついロウの胸元にすりすりと顔を近づけてしまった。
(お前、かっこいいよ。最高だよ)
まだ見慣れぬ人の顔をしたロウを間近で見つめると、ドキドキした。
どんなロウでも好きだ。
半獣の時も完獣の時も……そして今も。
結局、俺はいつの間にかロウそのものが好きになっていたんだなと思う瞬間だ。
いい夢を見られそうだ。
ロウとトイと一緒なら、いつも、いつだって──
愛は満ちると丸くなって……ぐるぐると幸せに循環していくんだな……
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