2 / 12
第2話
◇◇
「あ、ぁっ…!」
腰を掴み、ぐっと奥を突き上げれば、甘く切ない響きを含んだ声がその唇から溢れた。
「…感じてるの?神父サマ」
「っ、やめろ、その名前で呼ぶな」
深い緑の瞳が、こちらに向けられる。
本人は睨んでいるつもりなのだろうが、蕩けきったその瞳では、全く効果がない。むしろ、興奮を煽る。
「可愛い、…ジョセフ」
名前を呼んだ瞬間、きゅ、っと穴が締まった。
いつもはツンとしている彼だが、身体は正直なのだろう。
頰を染めて視線を逸らすジョセフに、自然と口角が上がる。
「…ね、激しくしていい」
「……駄目だといっても、私の言うことなど聞き入れないくせに」
「…よく分かってるじゃん」
一旦引いてから、細い身体に思い切り腰を打ち付ける。
ばん、っと肉のぶつかる音と共に、びくりとジョセフの身体が震えた。
逃げようとする腰を捕まえて、前後に激しく腰を動かす。
「…ひ、ん、あっ、あ、ぁ…ッ!」
突く度に、ジョセフの金の髪が揺れ、唇から吐息を含んだ声が漏れる。
自分に抱かれるジョセフは、官能的で、危うささえ感じるほどに美しい。
突きながら、ジョセフの首筋に唇を押し付け、軽く歯を当てて、ちゅっと吸い上げる。
びくん、とジョセフが体を小さく震わせた。口を離すと、白い肌に、赤く小さな花が散ったのが見えた。
「…アト、つけちゃった」
「っ首は、だめだ」
慌てたように、ジョセフが言った。
「…首は、人に見えてしまうから……」
「じゃあ、見えなければいいのか?」
「そういう、意味では……っん」
自分でも、意地の悪い発言だと思う。
けれどジョセフを見ていると、どうしてか虐めたくなってしまうのだ。
鎖骨の辺りに唇を寄せて、肌を吸い上げる。
「……っ、いた…」
ジョセフが小さく声を上げた。
見上げると、ほんのりと潤んだ大きな瞳が視界に入った。
どくん、と心臓が跳ねる。
月光を反射して、きらきらと光を放つ緑の瞳。
ふとすれば、吸い込まれてしまいそうだ。
「……ジョセフ」
「…は、っぁ、は…」
「……気持ちいい?」
「っ喋んな、…早く、っイけ…」
頰を上気させながらも、じろ、っと強気に睨んでくるジョセフに、笑みが溢れる。
そういう気の強いところは、嫌いではない。
強く突き上げてやれば、ジョセフは顔を歪めて、唇から高めの喘ぎ声を漏らす。
「ン、あ、ぁああッ…!」
ジョセフが一際高い声をあげる。
それと同時に、ナカに入れたモノがぎゅっと締め付けられる。
どうやら、達したようだ。
肩で息をしながら、顔を蕩けさせるジョセフは、この上なく可愛らしい。
「…なに、休んでんの。まだ、俺イッてないんだけど」
「んぁっ…!」
軽く突いて、かぷりと耳を噛んでやれば、ジョセフはぴくりと身体を震わせた。
「っ馬鹿、動くな…ぁ、あッ…!」
「…もう少し頑張って、神父サマ」
「だから、その名前で呼ぶな…っ」
強い刺激に腰をびくびく跳ねさせるジョセフを尻目に、密かに口角をあげる。
(…睨んでも、逆効果なのに)
込み上がる愛しさを噛み締めながら、半開きのジョセフの唇に噛み付いた。
ともだちにシェアしよう!