13 / 22

第13話

「...罰、ゲームの...続き?」 口から出た言葉に、渋谷が違うと首を振る。 そうだ。今日は、罰ゲームでこんな格好なんだ。提案してきたのは渋谷だ。 「違う!きぃ、違うんだ!」 「...な、にが?何が違う、んだよ」 「きぃ!」 「...面白ろかった?こんな、バカみたいに女の格好して...はしゃいで...」 「...きぃ」 「...痴漢されて...イッちゃ...」 そうだ。痴漢されてイッちゃったんだ。 恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい。 スカートの裾を握り、俯くと涙がコンクリートの地面に吸い込まれていった。 濡れて気持ち悪くなったパンツが余計むなしくさせる。 「...っ、うっ、」 もぅ、嫌だ。消えてなくなりたい。 渋谷の顔が見れない。もぅ、一緒に居られない。 胸が痛くて痛くて仕方ない。 泣きすぎて頭はボーッとしてくるけど、それでも涙は止まらない。 俺のすすり泣く音だけが2人の間に流れる。 「...ごめん!ごめんなさい!!」 再び、渋谷が頭を下げるけど俺は顔をあげなかった。 「...も、いい。...っ、帰る」 ようやく出た声も小さくて。 俯いたまま、頭を下げている渋谷の横を歩きだそうとした。 腕を捕まえられて、動きは止まった。

ともだちにシェアしよう!