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第13話
「...罰、ゲームの...続き?」
口から出た言葉に、渋谷が違うと首を振る。
そうだ。今日は、罰ゲームでこんな格好なんだ。提案してきたのは渋谷だ。
「違う!きぃ、違うんだ!」
「...な、にが?何が違う、んだよ」
「きぃ!」
「...面白ろかった?こんな、バカみたいに女の格好して...はしゃいで...」
「...きぃ」
「...痴漢されて...イッちゃ...」
そうだ。痴漢されてイッちゃったんだ。
恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい。
スカートの裾を握り、俯くと涙がコンクリートの地面に吸い込まれていった。
濡れて気持ち悪くなったパンツが余計むなしくさせる。
「...っ、うっ、」
もぅ、嫌だ。消えてなくなりたい。
渋谷の顔が見れない。もぅ、一緒に居られない。
胸が痛くて痛くて仕方ない。
泣きすぎて頭はボーッとしてくるけど、それでも涙は止まらない。
俺のすすり泣く音だけが2人の間に流れる。
「...ごめん!ごめんなさい!!」
再び、渋谷が頭を下げるけど俺は顔をあげなかった。
「...も、いい。...っ、帰る」
ようやく出た声も小さくて。
俯いたまま、頭を下げている渋谷の横を歩きだそうとした。
腕を捕まえられて、動きは止まった。
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