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第20話

「で?どうだった?」 教室に着くなり、瞳をキラキラさせた河田が近づいてくる。 「...は?」 俺はカバンを机の上に置いたばかりで、興奮している河田に冷めた目を向ける。 「いやいやいやいや。は?って。は?って。」 河田は手を顔の前で振りながら、ニヤニヤした笑みを浮かべて近づいてきた。 「ってか、誰だ?こいつ。根津、知ってる?」 ニヤニヤ笑いの河田にムカついて、すでに席に居た根津に話しかける。 「おー。モブだ」 「ひどい!根津まで!」 「おっはよー。昨日どうだった?」 山中が至って普通のテンションで近づいてくる。 「はよ。うん、まぁ、楽しかった」 そのくらいの態度だとこちらも普通に対応できるのでありがたい。河田はなんか、素直に対応できない。 「意地悪されなかった?」 「意地悪...」 頭に浮かんだのは、昨日の電車での渋谷の...いやらしい行為だ。瞬時に顔に熱が集まるのが分かった。 「な、な、なんも。意地悪なんて、されて、ない!!」

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