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2-1side獅琉
深夜、仕事から帰ってきた獅琉は真っ先に麗のいる部屋へと向かう。
今日もあいつは俺の帰りを待っているか?
いなくなったりしてないか?
逸る気持ちを抑えてドアの鍵を開けると、部屋の中で小さな足音が聞こえる。
その音で麗がいることを確認し、ゆっくりとドアを開けると、そこには真っ白で愛しい獅琉のうさぎが両目に涙をいっぱいに溜めてちょこんと立っていた。
「しー...」
獅琉の胸程までしかない小さな麗。麗は《アルビノ》という先天的にメラニンが欠乏する遺伝子疾患をもっている。そのため、肌も髪の毛も真っ白。唯一色があるのは真っ赤な瞳だけ。
今はその真っ赤な瞳が更に赤くなっている。
また泣いてんのか...
麗は獅琉が与えたうさぎのぬいぐるみを抱いているが、獅琉はうさぎなんかよりよっぽど麗の方がうさぎだと思う。
そばに誰かがいないと駄目なんだよなぁ、こいつ...誰に似たんだ?
「ただいま、麗。」
返事をしてやると麗は勢い良く獅琉に飛び付いてくる。
獅琉は麗をしっかり抱き留め、麗を拾った日のことを思い出していた。
愛しい俺のうさぎ。
誰にも渡したりなんかしない。
こいつを拾った日にそう決めた...
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