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テイク♂0.再生 お初もの
いや、そんなはずはない。不良様だぞ……喧嘩もしちゃって傷も作り続けるような、おとなしくもない人。だからこういったハメ撮りもちゃんと嫌だと言えるはずだ。……ここまで来たからには、嫌もなにもないと考えてるのか?
でも、どうだろう。
〝トモちゃーん〟
〝……〟
〝トモちゃんはやっぱり恥ずかしがり屋さんかなぁ?〟
再生中である画面によく目を向ける。
録画中はズーム出来ても再生中は出来ないから、画質が良かろうとも俯かれた表情を読み取る事が出来ない。パソコンでみれば拡大出来っかな。
〝トモちゃん?〟
どこか不満そうなオーラが画面越しで伝わる。
〝どーしたました?〟
〝……ん、付けは……〟
あぁ、そうそう。ここは少しだけだが、トキメキを覚えたような気がするよ。
〝ん?なんですか?〟
〝ちゃん、付けは……〟
トモちゃん。
トモに対してはなにも言わなかった先輩だが、やっぱりこういった、少し女の子扱いされるのが嫌なのだろう。ちゃん付けは嫌だ、と。
記憶に残しておこうか。
画面越しで溢れる受け要素に左手で持っていたカメラを右手に託して口元を塞ぐ。三次元でもニヤつきたいものがあるからな。
とはいえ、ずっと話しててなにも進まずなものはどうかと。
カメラは飯塚先輩の顔から上半身を映す中、あるところに止まった。
完全ではないそれは服のせいで気付かなかったが、少しだけ膨らみがあるのをカメラは見逃さなかった。
勃起している。
一度見れたものを何度も見れるだなんて最高だ。
飯塚先輩はカメラに向けられた先がわかったのかすぐに手で押さえ込む画が流れる。
〝あーあ、隠しちゃダメだよ?ほらほらー〟
〝ちょ、待てッ、だってなにも――〟
恥ずかしさからなのか喋りはじめた先輩の顔は真っ赤に染まっていた。なにもしていないのに勃つモノはおかしいと考えていたんだろうか。
男のモノなんてしょせんそんなモノなのになぁ。なにも考えてなくても膨らんでる、なんて現象もよくある話。それで結構苦労したりするんだからさ?
だから、飯塚先輩は“なにも”していないのに勃っていることを恥ずかしがらなくてもいいと思うんだ。
〝脱がないと始まるものも、はじまらないですよ?〟
〝木下っ……!〟
再生中の画面の中で俺の手は飯塚先輩のベルトを外そうとしている。片手で、しかも利き手ではない方の左手で多少やり辛そうに手間がかかっているのが再生中でもわかる。
んー、あっさり外せたらよかったが、俺ってばさすが素人。本当の素人。さらに男相手だからか如何せん戸惑う。
〝お、出来た。ちょっと腰浮かせてよ〟
〝……っ〟
涙目で耐える飯塚先輩の顔。
下半身にカメラを向けていたのをタイミングよく顔に映した俺マジでいい仕事をしているよ。
ここからは俺も頑張ったと思う。というより、好奇心が勝ってコトが進んだといってもいい。
いつも見る側として妄想に育んでいたわけだから、同じ男のチンコをこんなにも触れる機会なんてなかった。
〝そうそう。……わぁ、トモちゃ――トモくんのはご立派だー〟
呼び方を変えながら見ていると、半勃ちしているそれはぷるんッとトランクスから出てきた。
ははっ、誰だ。唇の色は乳首と亀頭の色だと言ったやつ。
しっかり使い込まれているチンコだぞ。
画面越しで改めて見る飯塚先輩のモノは唇や乳首と同じピンク色っぽいものではなく、赤黒い。アップされたチンコをつい一時停止して見てみるが、あぁ……ピンクという新品ではないな。
でもセックスの回数=チンコの色って関係ないってどっかで見たしなぁ。オナニーもきっと関係ないんだろう。
ただ言えるのは他のチンコより小奇麗だということだ。
夏のプール授業とかで他の奴等の下半身を見る機会はあったが、それを思い出し飯塚先輩のと比べるとこっちの方が断然にいいと思える。
〝トモくんはオナニーとかもちろんするよね?〟
〝……う、わッ〟
一時停止から再生に戻してまた観賞。
下半身を映す画面左下から出てきた俺の手は、右手でカメラを持ってるせいか安定している。左で持っていた時も別にブレていなかったが、また違うものがある。
その映っている俺の手は、軽く飯塚先輩のモノを握るように擦っていた。他人のチンコを触った感想は、なにも思いつかない。
〝お、膨らんだ。じゃあトモくん〟
〝……っ〟
耐えるように唇をぎゅっと噛む姿はなんとも言えない。
たぶんだが、こういう飯塚先輩を見るのは俺が初めてだろうよ。
今まで攻めに回っていたんだから、多少の余裕がありながらリードをしてたはず。それなのにまさか、俺という木下 歩に告ったら受けに回る立場なんて誰が予想出来た?
ズームをしながら飯塚先輩のチンコを映す。
撮っている時も気付いていたが画面で見る、我慢汁のせいで先端がヌルヌルにテカっている。
女優のやるアダルトと男優のやるアダルトは当たり前に違うが、こっちはリアルだ。
リアルで撮って、見ている。
伝わる興奮は、つい先ほどまでヤっていたからだろうか。
〝トモくん、俺の手でシコってみてよ〟
〝は……?〟
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