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緊急事態その4は、トモくん

   だいたい、あれで終わるとしたらそれこそ〝やおい〟じゃないか。“ヤ”マなし“オ”チなし“意”味なし、ってな。  まぁ? アホエロみたいにストーリー重視していない?  それこそ同人ものだったら? どんな終わり方でも?  男同士ギシアンしてれば満足なんだろうけど?  つーか俺が満足する。大満足出来るからもう一度読み直すな。いやでも、頭が回っていなかった友樹も良かったなぁ。  泣きそうで泣かないギリギリラインで、震える体を一生懸命隠そうとしちゃって。  あれはカメラにおさめておけばよかった……後悔って本当にそのままの意味に見たまんまだよな。  あ、え?  あのあとセックスしたかって?――やッ、やめろよ! 思春期男子だぞ!  腐りの。  んまぁ、流れ的にヤったけど、なにかー?  ずっと顔隠して俺と目を合わせよとしねぇの、友樹のやつ。最終的には首に腕を回されてキツく抱き締められながらイったっていう。  おかげさまで俺とヤってるのに気持ち良さそうな表情を見れなかったよ。  声はすごいイイ感じで鳴いてたけど。あ、こういう時のビデオカメラだよな?  人のハメ撮りは役に立つのに俺の時は役に立たないただのカメラとかマジでなんなんだ!  はあ……次ハメるとしたら誰にしようか。8組のあの優等生?  5組のぶちゃいく君とかもいいよな?  そうだ、俺の後輩ちゃんである中等部の子にしようか……。  広がる組み合わせの妄想に、自動販売機でなにを買おうか迷っている友樹を見ながら、 ――ガシャンッ、バンッーー 「……っ、あゆむ……!?」 「ここの自販機って、買った後すぐに叩くともう一つでるんですよー。知ってました?」  笑顔で故障の具合を伝える。 「……っ」 「はは、なに怯えちゃってんの?」  校内の西側にある一台の自販機。  どこがおかしいのか――買った飲み物のあとすぐに叩けばまた同じものが出てくるという、こっちからしたら素敵な壊れ方をした自販機。  ぷらぷらと昼休みに漫画を読みながら歩いていたら友樹がいただけだ。  お金を入れて数秒選びに迷う後ろ姿。チラつく周りの生徒でトモくんのお相手をどうしようかな、と頭の中でプランを立てていれば、ピッ、と。 ――俺の親友には手を出すなって言ったのに、忘れたの? 「さてさてー……お、可愛らしいミックスジュースですか。俺飲めないんであげますよ」  買った本人よりも先に取り出して確認。  二つのミックスジュースを手にした友樹はポカーンとした表情で俺を見ていた。 「ん?友樹?」 「……い、や……」  今度は、慌てたように目を逸らす。  一回目のテスト期間が終わればまた来るテスト。期末テストはすぐそこだっていうのに小テストだのなんだのって出してくるからここの教師は暇なのか?と思う。  成績の良い奴等を残したいのはわかるがそう毎回続くと嫌がらせで悪い点数ばかり取るぞ?……いや、真面目に進学校でそんなことするバカいねぇか。 「……俺の親友ですが、」 「……」  考えてることとは別で、口に出す話題を振れば友樹の体がピクッと小さく動いた。  おいおい、心当たりありまくりだな?  

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