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 ――1年前  石蕗親子は川沿いに建ち並ぶ公営住宅への居住が決まった。引越し業者に荷物を運んでもらう一週間前に鍵の受け渡しをして、拓海におぶさられスヤスヤと眠る娘と2人新たな出発をきる部屋を入念に掃除をした。 (えっと、入居のしおりには…棟の理事さんに色々手続きをもらうのか…あと両隣の人と下の部屋の人に挨拶して…でいいのかな?) 「ふえ…うえぇーん」 「あ、まーちゃん、起きちゃったね、よーしよーし」  背中に乗っかるおおよそ8キロの命、これからは1人でそれを守らなければならない、拓海は途轍もない不安にかられていたが茉莉にそれを悟られてはいけないと心の奥底にその気持ちを閉じ込めていた。  茉莉が大好きな歌を歌いながら(ホコリ)だらけのフローリングにモップシートをかけて綺麗に綺麗にする。もうすぐ日が暮れそうになっていて、腕時計に目を落とすと時刻は間も無く17時を指そうとしていた。 「いっけない! こんな時間…今日は18時半からだ!」

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