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20.その先への期待と……
「亮介くんは何時頃来るの?」
「10時過ぎって言ってたよ」
「そっか。じゃあお母さんたち行ってくるね」
「うん、いってらっしゃい」
「ゲームばっかりしないで、ちゃんと勉強もするのよ。あと夜更かしもしないでね」
「もぉ、わかってるよ」
「ちゃんど戸締りするのよ」
「わかってるってばぁ」
「夜電話した方がいい?」
「そこまで子供じゃないから大丈夫! ほら、電車に遅れるよ」
お母さんはやっぱりお母さんだ。オレは来月には高3になるけど頼りないらしい。玄関で、行ってきますからが長かったよ。まったく……。
今日から2泊3日、お母さんたちが旅行の間オレは亮介とふたりきり。嬉しいけどちょっとドキドキしてるのも事実だ。
オレと亮介は、キスとかお互いのモノを扱きあったりとかそれくらいはしてる。ほとんどオレの方が亮介の手にイカされちゃうばっかりで、それでいいんだろうか?とも思ってる。まあ実際キスでボーっとしてるウチにイカされちゃうってカンジで、どうにもできないんだけど。
何を言いたいかって言うと、そこまでの関係ってことだ。それ以上は無し。
オトコ同士ってどうしてるんだろう?って思って、一度ネットで調べたことがあるんだ。で、ビックリした。衝撃的だったとも言える。お尻の穴なんて絶対無理だ。なんであそこにあんなもんが入るの?
オレと亮介だと、体格的なものとか経験値とかから考えたら、どう見てもオレが突っ込まれる方でしょ? そんなの絶対ムリ。って言うか、考えただけでも痛そうだし怖い。
一度だけ自分で指を入れてみようとしたけど怖くてできなかったし。そのときはおっかなびっくりだったから、かなり尻に力が入ってたと思うけどね。でもどっちにしろムリなもんはムリってことだ。
でもさ、オレだって健全な男子だもん、エッチなことには当然興味あるよ。これもネットの情報だけど、突っ込まれる方は最初は大変だけど慣れたら突っ込む方より感じるんだって。
つまり、この2泊3日間でオレと亮介の関係が進むかもってこと。
ちょっと期待してる……、いや、むっちゃ期待してる……かも。
「やべぇ、硬くなっちゃったし」
ヘンなこと考えてたら元気になっちゃった。余談だけど、亮介と付き合ってからオレは一度も自分でイタしたことが無い。他人にイタしてもらうなんて……。そう考えると、オレの息子さんも偉くなったもんだと思う。
もうそろそろ亮介が来る時間なんで、深呼吸とかして何とか普通に戻しておいた。
「おはよ、智」
ドアベルが鳴って亮介がやってきた。好きになったせいかもしれないけど、なんか、ますます亮介は格好良くなったような気がする。
「あとこれ。来るときに持たされた」
「サンドイッチ? うちのお母さんもごはん準備してったよ。じゃあこれはおやつにしよっか」
「晩ごはんもあるの?」
「うん、鍋だって。材料全部切って冷蔵庫に入ってるってさ」
そんな会話をしながらオレはコーヒーを準備した。亮介のはブラックで、オレのはもちろん牛乳と砂糖入りだ。
「智こっち!」
ソファにいる亮介の隣に座ろうとしたら座る場所を指示された。その場所ってのが亮介の脚の間。つまりそう……、湯たんぽ智アゲイン?
「えー、ヤダ」
「そんなこと言わないの。こっち来て」
ゴネる亮介に仕方なく指示された場所に座った。亮介は背中からオレのことギューっと抱きしめて、匂い嗅いで「智の匂いだぁ」なんてつぶやいてる。くすぐったいし、照れるし、恥ずかしい。
「亮介さぁ」
「ん?」
「学校と全然違うじゃん。学校じゃクールとか渋いとか言われてるのに」
「そりゃそうでしょ」
「そぉ?」
「だって好きな子と一緒にいるんだよ。イチャイチャしたいし、甘やかしたいし、甘えたいよ。オレ、智のことはめちゃめちゃ甘やかしたいもん」
「えー、でも恥ずかしいじゃん……」
「そんなこと言わないの。オレたちしかいないんだし。智こっち向いて」
そして背中越しにキスをした。ちょっと体勢が苦しいけど、亮介の舌はやっぱり気持ち良い。
「智も学校とは違うよ。キスするとめちゃエロい顔するし」
「それは亮介のキスが……」
「気持ち良い?」
キスの続き。うん、わかってる。今のオレたちはただのバカップルだ。
「硬くなってる。一回イっとく?」
そう言った途端にオレのモノが取り出された。今日はスウェットなんで、ポロンってカンジにすぐ取り出されちゃった。いつもこんなカンジ。あっという間にオレは亮介に気持ち良くさせられちゃうんだ。
「見て、テレビにオレたちが映ってるから」
「えっ、あっ、ヤダッ、恥ずかしい……」
ソファの真正面にあったテレビにオレたちが映りこんでいた。胸から下。亮介の手に扱かれてる、オレの元気な息子さんもみんな映ってる。めちゃ恥ずかしい。思わず脚を閉じようとしたけど、亮介の脚に抑えられて逆にもっと開かされてしまった。
「顔が映ってないのが残念。智のエロイ顔も見えたら最高だったね」
そう囁いた亮介は、オレの首筋にキスを落としながらますます手の動きを激しくしていった。オレはすっごく恥ずかしいんだけどテレビから目が離せなくて、そしていつも以上に声が出てしまっていた。
「ああっ、もう、もうイクッ、っぁああぁぁぁぁ―――――ッ」
午前中からこんなんで、大丈夫だろうか?
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