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24.甘やかしぃ

 結局昨夜はベッドから起き上がれなかった。すっごく疲れてたし、腰が抜けたようなカンジで下半身は全然動かせれなかったんだ。  でもって今は一夜明けて朝ごはん中。昨日食べれなかった鍋を朝から食べてるとこ。何故かソファで、……背中に亮介が引っ付いた状態で。 「なあ亮介……、オレの背中に引っ付いてたら食べにくくないか?」 「えーいいじゃん。全然困んないよ」  あれから亮介はずっとオレの世話を焼いている。今朝もオレより先に起きて鍋の準備してたし。しかもオレ、まだ起きてから一歩も歩いてないんだぜ。亮介に抱っこされてここまで来たし。さすがにトイレだけは遠慮してもらったけどな。亮介、トイレの前で待ってた。やーめーて。  亮介がここまで甘やかしぃだと思わなかった。 「腹が落ち着いたらさ、風呂入んない? 湯ためるからさ」 「朝風呂?」 「まだ腰ダルいでしょ。お湯で温まったらラクになると思うよ」 「う……ん」 「それと尻は大丈夫?」 「痛くはないよ。でもなんか、痺れてるようなカンジがする」 「じゃあ、後で見せて」 「えっ」 「えっ、じゃないでしょ! 腫れてるかもしんないし、ちゃんとチェックしないと」  そんなこと爽やかな笑顔で言わないで欲しいよ。恥ずかしすぎ。顔熱いし、きっとオレ真っ赤だ。 「亮介さ、なんかエロすぎ……」 「オレ、智相手だとどこまでもエロくなれる自信ある」  そんなこと自慢げに言うなってば。うぅぅ。  でも風呂は気持ち良かった。のんびり浸かったから腰とか関節とかいろいろラクになったし。……って、なんか爺さんみたいだな。  ここでも亮介の甘やかしぃは健在で、全身隅々まで亮介に洗われたし。頭の上からつま先まで。オレの息子さんと……、尻も。  そして今はオレの部屋のベッドの上だ。オレと亮介の……攻防中? 「トーモ、ほら、もっかい見せて」 「さっき風呂場で見たじゃん。もぉいいよ」 「ダーメ、もっかいちゃんと見せて」  せっかくパンツ穿いたのに、何故にそれを剥こうとするの!  抵抗空しく、オレの尻はまた空気にさらされたのだった。ひどい……。 「やっぱちょっと腫れてるっぽい気がする。ゴメンな、智」 「大丈夫だろ。そのうちに鎮まるんじゃね」  切れてたらいろいろ大変だったと思うけど、切れてないんなら大丈夫だ。人間には回復力ってものがあるんだし……。  そんなこと考えてたら、入り口んとこにヌルっとした感触があった。 「亮介っ! なにしてんの」 「舐めたら早く治るかなって思って」 「バカッ、ヤメロよ、そんなとこ汚いだろっ」 「智汚くないし、それにさっき洗ったし」 「そんなワケないって、って、ひぁんっ」  ヤーメーテ!  恥ずかしすぎる。ってゆーか、感じちゃったらヤバイっしょ。マジでヤメてぇぇぇぇ。  逃げようにも、腰をガシっと抑えられてて逃げれないし。 「やべぇ、またしたくなっちゃったかも」 「ムリッ、絶対ムリッ! 今やったら腰が持たないからぁぁぁぁ」  亮介ぇぇぇぇ、こんなヤツだと思わなかったぁぁぁぁ。  結局、途中で我に返ったみたいで、イタすことは無かったけど。  オレはもうグッタリだよ。もっかい寝ていい?  その後は、平常心に戻った(と思われる)亮介と一緒にテレビみたりとかって、ダラダラすごした。ただし背中に亮介が引っ付いた状態で。もうバカップルだよ、完全バカップル。つい雰囲気に流されてるけど、ってゆーか、オレもこの体勢好きになってきたかも。 「結局昨日も今日も勉強しなかったな」 「予定通りだよ。この3日間は、智のこといっぱい甘やかして、いちゃいちゃするつもりだったから」  晴れやかな笑顔でそう言いきった亮介の顔を、オレはまじまじと見てしまった。この2日間で実感した。親友だった頃の亮介と今の亮介はきっと別人だ。今の亮介は甘やかしぃのエロエロ大王だ。恋人になってみないと分かんないものってあるんだな。ホントにそう思った。  ちなみに、夜はまたイタしてしまった。明日両親が帰ってくるまでに、オレの腰は復活できるだろうか? それだけが心配だ。

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