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第3話 誕生秘話『あるヘンタイ、都会の隅で』
「雫 、もっと深く咥 えられるか?」
四つん這いになっている彼の喉 の奥へ、俺は容赦なく自らの昂 ぶりを押し込む。
雫は一度苦しげに咳込 んだものの、俺を迎え入れるように喉の奥を広げた。
そこへすかさず先端をなすりつける。
ここは会社から2駅先にある、歓楽街のホテル。
職場の後輩であるこいつをここへ連れ込んだのはいったい何度目だろうか。
透き通るような白い肌に、愁いを帯びた瞳。繊細な白いまつげ。
その姿は美しいのに、あまり人と目を合わせようとしないこいつのことが気になって、気づいたら恋に落ちていた。
ちょうど3カ月前のことだ。
それから必死になって口説きはしたけれど、こいつが男の俺をこうやって受け入れる理由がわからなくて、今でも不安だ。
可愛い口を犯しながら、細いあごのラインと裸の背中を撫でてやる。
「本当にいいんだよな?」
聞くと雫は、白いまつげを持ち上げて俺を見た。
口は塞いでしまっているが、彼が抵抗を示す様子もない。
四つん這いになっている雫の後ろで待ち構えていたもうひとりが、彼の腰をつかんだ。
俺は目で合図して、後ろからこいつを犯させる。
「――……!」
部屋の生暖かい空気を、声にならない悲鳴が震わせた。
俺は同じ震えを、彼の喉の奥からも感じ取る。
こちらを見上げるきれいな瞳が濡れはじめていた。
愛する人を他の男に犯させている、その事実に俺も震える。
けれどもこれは必要なことなんだ。
周りの男も女も、誰もが可愛い雫を狙っている。
より激しい行為と快楽でこいつを繋ぎとめておかなければ、不安でおかしくなりそうだった。
だから今夜は信用できる相手に金をつかませて手を借りた。
俺が3カ月かけて愛してきたこいつの体は、与えられる喜びにすぐに沈んでしまうだろう。
それがわかっているからこそ、胸が痛い。
「好きだよ、雫……」
雫が真珠のような涙を零すたび、俺はこいつの喉の奥を深く穿 つ。
愛おしさで胸が潰れそうだ。
前から後ろから責められる彼は、細い体を硬直させて喜びに堪えていた。
その姿には神々しさまで漂ってみえる。
一旦前歯の裏側辺りまで引き抜き、腰をしならせてまた喉の奥へ。
強引なことをしているのに、雫の唇は離れない。
後ろからはぬかるみを踏むような水音が、断続的に響いていた。
「愛してるよ雫、ほら、こんなに――」
それから前でも後ろでも男の精を呑み込んだ彼は、息を乱しつつニヤリと笑う。
「はぁ……先輩……今度は、先輩が真ん中です。これ、絶対ハマりますから」
恍惚 とした光を宿す瞳を、俺は震える思いで見つめた。
こうして目覚めてしまった彼こそが、のちの変態パールホワイトである。
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