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Ⅲ どれだけも、どんなにも……①

ザアァァァァァーッ 「………………ひってる」 えっ いま、なんて? 「知ってるよ。俺の父を殺したのは、ブラックで。でも、それは仕方のない事だって」 どうして、君が……… (知っている?君のお父様は……) 私の上官で 私の友 先代司令塔の、あの方を 「父さんの手紙に、書いてあった」 『貴方』が手紙を残していた? 「俺宛ての手紙に。病で長くない命だけど、この命は最も信頼する部下に託す……って」 『貴方』は、たった一人の息子に手紙を遺していた。 「ブラックの眼と痣を見た瞬間、分かったよ!父さんと同じ病……うぅん、呪いだって」 「そうだよ。君のお父様は病じゃない。私と同じ、クロノ・リンリーの呪いに堕ちた」 「あの時、俺をかばってブラックも」 「何度も言わせるな。君の行動は正しかった。そして、私の判断は間違っていない。君が負い目を感じる必要はない」 「じゃあ、俺の前から消えないでよッ!」 「それはできない」 「どうしてッ」 クロノ・リンリーの呪いは…… 「時間の逆行だ。私の体は歳をとらず、若返る。DNAのテロメアが壊れているんだ。 私の体は時を(さかのぼ)り、思春期に戻り、児童に戻り、幼児に戻り、産まれたばかりの姿になって消滅するんだよ」

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