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第1話
「出て行け! 楪 の恥晒しが!」
父親に言われ、私は外に放り出された。
父親の向こうで、母親は泣き崩れている。
私は、年が少し離れた弟二人と妹一人の名前を呼ぶ。
三人は、私のところに来る。
「お兄様、行かないでください」
「お兄様がいなくなったら、僕たちはどうすれば……?」
弟たちは、私の服の袖を引く。
妹も泣きながら、私の服の袖を引く。
そんな三人の頭を優しく撫で、私は言う。
「兄は死んだ。これからは、お前たち三人がお父様とお母様を支えるのだ。解ったかい?」
優しく笑って、言い聞かせるように言うと。
三人は、小さく頷き、両親の方へ行く。
私はそれを見送り、両親に言う。
「私のことなど、元からいなかったと思ってください。お母様、私を産んでくださり、ありがとうございました。そして、申し訳ありませんでした」
父親への言葉は、探しても見つからなかった。
私は、荷物を持ち。
振り向かず、歩き出した。
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