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第42話
「じゃあ、俺の部屋に行こうか。」
夜になり2人とも寝る準備をすませると、アシュリーに熱っぽい声で名前を呼ばれる。僕の身体をお姫様抱っこで自分の部屋へと連れていった。
久しぶりにされて、やっぱり恥ずかしいと思う。顔が近すぎだ。そして顔を見れば余計に顔が熱くなるのがわかっていながらも、どうしてもその美しい瞳から目をそらす事が出来ない自分がいる。
優しくベッドに降ろされると、今度は右手で抱きしめられ、左手で宝物に触れるように頭を撫でられた。
「本当に俺とでいいの?」
結婚指輪だとか言って指輪までプレゼントしてきたくせに、今更だ。
「アシュリーがいい。今日してもらえなかったらすごく落ち込む。」
「うん。ありがとう。」
彼が安心したようにふわっと微笑む。そんな短いやり取りも、なんでそんなこと聞くのかともどかしく思えてしまう。僕の方がずっと大好きなのに、嫌だなんて考えられない。
そして抱きしめる手がより強くなると、耳元で甘い声で囁かれる。
「テオはどっちがいい?する方と、される方。俺はテオとならどちらでも嬉しいよ。」
…そうだった。男性同士でどうやってするのかはアシュリーがだいぶ前にふわっと教えてくれたけど、男女でするのと違ってどちら側かを選べるのだ。
アシュリーとできるならどっちでもいい。と言おうとした。でも、アシュリーが精神的にも身体的にも大きく負担がかかる行為だと言っていたのを思い出す。
「ねえ、どっちの方がつらくない?」
気になって、アシュリーに聞いてみる。
「する方のが負担は少ないよ。」
あまり考える間をおかず断言した、ということは、される方が負担が明らかに大きいということか。
それなら。
「される方をしたい。」
はっきりと言うと、彼は僕を抱きしめる手を緩め、明らかに動揺しだした。
「その理由なら俺がされる方になるよ。テオに自ら辛い方を選択させるなんてそんなことできない。」
「する方が主導権ってノアが言ってた。僕にそんなことできないよ。される方がいい。」
口から適当に理由をでっち上げる。アシュリーの口ぶりから余計にどちらが負担が大きいのかがわかってしまい、ここまできたら僕も引き下がるわけにはいかない。
アシュリーはもう、と微笑んでもう一度僕の頭を撫でる。
「テオは、いい子に育ちすぎだよ。
…テオが可愛すぎて我慢できないから、次に進めていい?」
微笑みからは一転、真剣で低い官能的な声と、獣のような熱い眼差し。それは互いの理性を崩壊させるのに十分で、僕は求められるままに頷く。
アシュリーが僕の服をゆっくりと丁寧に一枚一枚剥いでいく。裸を見られるのは初めてじゃないのに、今日は彼の視線が痛いほど刺さっている気がして、羞恥を煽られた。
刹那、今まで触られたことのない場所を触られて、うめき声が漏れる。彼の左手が優しく、胸の突起をいじる。
まだ下半身にはしっかりと服を着ていて、別に男の胸なんて晒しても恥ずかしくはないはずなのに、そこに優しく触れられる行為がこんなに恥ずかしいなんて思わなかった。
くすぐったいような刺激に呻く声は、次第に甘さを帯びて行き、徐々にそれを快楽に感じるようになる。
そこをしばらく弄んだ後、次に下を脱がされた。すでにそこは興奮を露わにしていて、きっちり服を着たアシュリーと照らし合わせると、こんな格好を晒しているなんてと彼の目からも目を逸らしたくなる。
しかしそれは許されない。熱を帯びて潤んだ瞳は、僕の目を釘付けにして、逃がそうとしないのだ。
そして今度は性器にふれゆるく与えられ続ける快楽に、意識を何度も手放しそうになる。
何度も焦らされた後一度逹すると、今度は彼が手を離し、何やらかちゃかちゃと音を立て始めた。
「ちゃんと準備しないと。負担も大きくなるし、何より普通よりもリスクの伴う行為だから。
テオ、辛いと思うけど、言う通りに自分で準備してきてくれる?」
その詳細を聞いて、流石にアシュリーにそんな苦しそうなことをして欲しくなかったし、自分が名乗り出て良かったと思った。
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