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第6話 この先の約束
いつもの様にブルーと二人でパトロールに出かけ、疲れて帰って来た。
帰る途中でブルーが、「俺行くとこあるから。先に帰っててくれ」と僕の額にキスをして、どこかへ行ってしまった。
僕が呼び止める間もなく行ってしまったブルーの背中を眺めて、不安がこみ上げる。
「ブルーが僕を置いて一人でどっか行くなんて…。どうしたんだろ…」
そう思うととても悲しくなってきて、ポタポタと涙を流しながら本部に戻った。
誰にも見られないように俯いて部屋まで戻る。幸いなことに誰に会うことも無く部屋に着いて、ホッと息を吐いた途端に、またポロリと涙が零れ落ちた。
「はぁ…、ダメだな、僕。いつからこんなに弱くなったんだろ…」
ゴシゴシと赤いツナギの袖で顔を擦って大きく深呼吸すると、チャックを一気に下ろしてツナギを脱いだ。
今日はかなりの数のリンリーと遭遇した。ブルーと半分ずつ消滅させたけど、身体の小さい僕の方が疲労が大きい。
そして疲労が大きい程、僕は興奮してエッチがしたくなる。
「はぁ…、ブルーとしたい。早く帰って来てよ…」
僕はポスンとベッドに寝転ぶと、パンツも脱いでベッドの下に落とした。
右手の人差し指と中指を口に含み、たっぷりと唾液を絡ませる。
両膝を立てて足を大きく開き、口から指を抜くと、尻の穴を緩く撫でて、つぷりと二本の指を入れた。
ほぼ毎日ブルーの規格外のモノを受け入れてるそこは、緩まないように訓練をしてるとはいえ、とても柔らかい。
簡単に入った指でぐにぐにと入口を広げ、根元まで一気に差し入れる。指を出し入れしながら反対の指で乳首を摘み、捏ねくり回して腰を揺らめかせた。
「はぁ…っ、全然足りない…。規格外の大っきいので、もっと奥を突いてよ…っ」
身体の奥が疼いて堪らないのに、それを鎮めてくれるブルーが傍にいなくてまた涙を零す。
「はぁっ、ブルー…ブルーっ…」
「おまっ…!何して…」
「…ん?えっ、あっ!ブルー…、い、今の見てっ…」
慌てて顔を上げると、ドアの前でブルーが固まって僕を見ていた。
カアッ!と一気に体温が上がり、僕は指を引き抜いてシーツで顔を隠す。
え?いつ?いつから見てたの?ていうか…見られた!一人でしてるとこ、見られっ…。
僕の全身でブルーが知らない所なんて一つも無い。だけど、さすがに尻の穴に指を入れてブルーの名前を呼んでる姿を見られたことは、死ぬ程恥ずかしい。
僕がシーツを掴んで震えていると、大好きな匂いが僕を包み込んだ。
「レッド…。おまえ、俺の名前呼んでただろ。可愛すぎか。顔見せろよ」
「嫌だ…。今すぐ消えたい」
「ん?ほら、こっち向けって。…やっぱり。泣いてたのか?」
「う…っ。だって…ブルー、僕を置いてどっか行っちゃったからっ…」
「悪ぃな。不安にさせたな。ある物を受け取りに行ってた。レッド、ちょっと目ェ瞑れ」
ブルーが僕の額に口づけながら、優しく囁く。
僕は、素直に頷いて目を閉じた。
顔にフッと息を感じたと思ったら、ベッドが軋んでブルーが身体を起こす気配がする。
僕の左手が持ち上げられ、薬指にゆっくりと嵌められた物。それって…もしかして。
僕の心臓が早く動き出し、鼻の奥がツンとなって、目尻が熱くなる。
「緋…、目を開けて」
二人きりの時にブルーが口にする僕の本当の名前。その名前を呼ぶ時は、とても大事な話をする時だと決まっている。
ゆっくりと目を開けて、震える左手を目の前に持ってくる。そこにはキラキラと煌めく白銀の指輪が。
「緋、今日は俺とおまえが出会った日だ。今日で出会ってから五年。喧嘩したこともあったけどさ、毎日が幸せだった。そしてこれからも、おまえと幸せな毎日を過ごしていきたい。緋、死ぬまで俺の傍にいろよ」
「うん…うん…っ。ありがとう、蒼」
もう涙も鼻水もぐちゃぐちゃで、僕の顔が大変なことになっている。
だけどそんな事はどうでもいい。
だってブルーが、死ぬまで傍にいていいって。
僕を抱きしめるブルーの背中に手を回して、僕も抱きしめ返す。
数回唇を合わせてから、ブルーが綺麗な笑顔で自分の左手を持ち上げて見せた。
その手には、僕と同じ白銀の指輪が煌めいていた。
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