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一週間の冷却期間
帰り道は上の空で部活の話などをしながら歩く。
そして分かれ道で
「じゃあな」
「あ、根屋先輩!」
『呼び方も戻したよな。お前。なんかやってらんねえ・・・』
柴崎に背中を見せると、グイっと腕をつかまれ、電柱の陰に追いやられる。
「五月さん。明後日、姉ちゃん合コンなんです。うちに来てくれませんか?」
「はっ?何?」
『いままでシカトしておいて、いきなりそれかよ!』
「キスしたい。思い切りキスしたい。この前、少し無理やりだったのかもって
思ったけど、見てるだけなんてもう限界。無理。抱きしめたい!」
『コイツこの前の事そんなに気にしてたの?』
自分の胸の中にあったものがスッと晴れて、根屋は
「明後日だな?」
「うん。待ってる。たくさん抱きしめたい!」
2人は視線を合わせたが、明後日のために
少し笑顔を見せてお互いの帰路に着いた。
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