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準々決勝
ぞろぞろと控室に入ってきたメンバー達は、緊張の色があった。
「新田さん、お願いします」
静かに柴崎が言う。
「皆のおかけで勝ち上がり今日は準々決勝だ。
もちろん勝つつもりだが、相手の双葉は俺たちが一年の時負けて、二年の時は勝った。
要するに力がほぼ拮抗している。
向こうも二年は育ってきているだろうし、気の抜けない試合だ。
今まで以上に周りを見ろ。PGのサインを見逃すな」
「はい!」
「根屋、今回は俺が先に出る。体力を温存しておけ。
簡単な勝負ならないくらいこと位、今の三年は皆は知っているだろう?」
そう言われると根屋も黙るしかない。皆がぞろぞろコートに向かい始めた。
「あ、根屋先輩、落としましたよ?」
『ん、何か落とすものなんてあったか?』
みんなが出ていった控室で
「なんだ?」
ちゅ
いきなりのキスに目を丸くする根屋。
「いってらっしゃい。五月。必ず勝てるから、そばでずっと見てるから」
根屋は後ろを振り返りドアが閉まっているのを確認したら、
柴崎の腰に手を回し、キスをする。舌を絡めて軽くかむ。
柴崎も根屋のキスに応え、両の手で根屋を包み舌を軽く吸う。
柴崎の手をつかみ、自分の胸元に持ってくる。
「だめー!それはだめー!試合にならないからだめー!」
柴崎がたしなめて、思いきり抱き締め強く根屋の唇を吸った。
『うーん。何かホント最近ツンデレ子猫ちゃんだなー。
新田さーん、このまま試合バックレてもいいですかねー?』
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