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桜の花の咲く頃に①
ウインターカップが終わって、二人で初詣行って、先輩の受験が終わって、
校庭を見上げる。
まだちょっと蕾が固いかな?でも卒業式には間に合うよね。
体育館に足を運ぶ。
「もう明日から新田キャプテンも、五月さんも、そして俺もいない。
うまく言葉にできないけど、本当に今までありがとう。
そして、これからの部員をよろしくお願いします」
一人深々と頭を下げる。
「・・・そろそろ抜けられてるかな?」
校舎裏でスマホをいじる。
「はあっ、はあっ、はあっ、こえー!マジこえー!!」
「お疲れ様、五月。見事にボタンが無くなってセクシーというよりは、みっともない」
「うるせーよ!ハイエナっていうのはああいうのを言うんだぜ!」
「じゃあ五月、手を出して」
「?」
言われるがままに両手を差し出す。
するり。指に異物感を感じる。
「何だこれ?」
「え?指輪ですよ?今までのように毎日のように会えないんだから牽制球ですよ」
「あー、牽制球ねー。わかるわー。女よけだろ?って何で左手なんだよ!!」
「右でファッションリングに間違えられたら意味ないでしょ?」
「お前、これから新田たちと飯食いに行くんだよ!」
「んー。なんか新田さん、肌で感じている感じするんだよねー」
「マジでか?ウソだろ?」
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