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桜の花の咲く頃に③

柴崎も小走りについていく。 「新田キャプテン、根屋先輩、本当に今までありがとうございました。 自分なりにキチンと区切りを付けられました」  新田は胸についている赤い花を柴崎の胸につけて、 「色々葛藤もあったと思うがこちらこそありがとう。 勝てなくて悔しい試合はあったが、悔いが残るような試合はなかった。 お前のおかげだ。こちらこそ気持ちのいいプレーをさせてくれてありがとう。 これからも、がんばれよ」 「ありがとうございます。頑張ります」 「落ち着いたら、顔を見せに行くよ」 「いいですね。みんな喜びます」 「じゃ、そろそろ」 「はい。お疲れ様でした」  深々と頭を下げる。 「なあ根屋」 「なんだよ」 「式の時は指輪してなかったよな?」 「やっこれは没収されたら・・・」 「まあ、幸せになれよ」 「あ?あんだよそれ!別に指輪の奴とは限んねーだろ!」 「ま、そういう事にしておいてやるが動揺しすぎだぞ?」 「良くも悪くもウソが下手なのがお前だけどな」 「にったあー!!」

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