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第9話
凛side
料理している彼を見ながら服を着替える。ふと急に、昔を思い出した…。朝早く起きた時、二人で公園に出かけたことがあったなぁ…と……。
あの時は、目が覚めてなんとなくその公園に行ったんだ。そこには縢がいて、おにぎりをもぐもぐと食べていた。あれは今思えば親に隠れて朝ごはんを食べ居たんだろうな…。見つかると怒られるから……。
「……ねぇ、公園に行こ?昔みたいにさ、公園でおにぎり食べたい」
「こんな朝早からか?バカなのかお前。寒いだろ」
「こんな朝だから行くんだよ。君が体調崩さないように朝早くにね。ほら、おにぎり握っておくから、学校に行く準備もして来て。公園で一緒に食べよ」
すると、目を見開いて少し驚いたような顔をした…。きっと昔のことを思い出したんだろ…。それで怖くなったんだろうな。
なんて思ってたら、驚いたのはそこではなかったみたいだ。いつの間に着替えたって、縢がキッチンに降りていった後を追う前に着替えてから階段を降りたんだよな…
「……お前いつの間に着替えたんだ?はぁ…仕方ないな…。俺、おにぎり三つ。味噌と塩と、おかかがいい」
「ん、りょ〜か〜いっ」
ネギ味噌のおにぎり、今でも好きなんだな。それに塩とおかかって、どれだけ質素なものが好きなんだ…。
まぁ、昔からおかかのおにぎりだったもんなあいつ…。今日は少し贅沢なのって渡されたのはネギ味噌のおにぎりだし…。それ贅沢なのって思ったのは秘密だけど…。
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