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第12話
縢side
そして調理実習当日。俺と凛はビーフシチューを作っていた…。
「もう少し牛乳いる?」
「これぐらいじゃないか?後はこれを鍋に移して、野菜は煮えてるだろ?肉も柔らかくなってるしこれで大丈夫だろ……」
「そうだね。あとは煮込めば大丈夫か……。でそっちは出来た……?」
ビーフシチューは、市販のものが嫌いな俺たちの我儘でルーから手作りした。市販のものは、一人で食べてたご飯のことを思い出すから好きじゃなかった…。
「今からチキンライスを作る。フライパン今空いたでしょ?」
「あ、ごめん…」
フライパンをずっと使ってたから作れなかったみたい…。それに俺のことを怖がって声をかけれなかったらしい……。
ツリ目がちな目と、髪色のこともあってヤンキーとよく間違えられるのだ…。
「なら食材くれる?こっちで作るよ。いいよね?縢」
「嗚呼」
「具材を先に炒めた方がいいよね」
こうして殆ど俺と凛の二人で完成させてしまった…。手慣れているせいか、他の班よりも早く終わった。
「…………すげぇ…。なにこれ……。こんなの作れんの……?」
「………それな……。なにこれ、店に出せるレベルじゃん……。凄すぎかよ…」
同じ班の神崎 麻(かんざき あさ)と、加賀 伊織(かが いおり)は感動したように見つめていて、そんなにすごいのか?と思った。
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