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監禁
真っ暗な部屋を仄かに明るくしてくれるのは、天窓から射し込んでくる月の光。
肘で体を支え、懸命に這いながら天窓の下まで移動した。
見上げれば、真ん丸いお月様と目が合った。
ただ何をするわけでもなく、じっと眺めていると、真ん丸いお月様が、笑顔の一太の顔と重なった。
今頃何してるのかな?
ご飯ちゃんと食べたかな?
人参嫌い!ピーマン嫌い!って、駄々っ子して彼や橘さんのこと困らせていないかな。
一太は、耳に水が掛かるのが嫌いで。
嫌だ!洗わない!って駄々しないで、お利口さんにして、彼に髪を洗って貰ったかな。
歯磨きもイヤイヤ、毎回大泣きで。
泣かずに彼にちゃんと仕上げ磨きして貰ったかな。
ごめんね、一太・・・・
今日、一緒にカレーを作ろうって約束したのにね。ママ、嘘ついちゃった。
ごめんなさい、遥琉さん・・・
一太を任せっきりで。
堰を切ったかのように涙が次から次に溢れてきて。
声を上げてその場に泣き崩れた。
夜なのか、朝なのか、昼なのか。部屋が暗くてよく分からない。
あのまま眠ってしまったのに、なぜかラグマットの上で目が覚めた。
依然として手首は拘束されたまま。いつまでここにいるんだろう。そんなことを考えていたら、耳に息が掛かり、チュッと耳朶を軽く吸われて。背筋にゾクゾクと悪寒が走った。
「そう嫌がるな」
それは紛れもなくお兄ちゃんの声だった。
困ったように苦笑いされ、背中をムギッと抱き締められた。
「指輪を外そうとしたんだが、外れなくてな。卯月っていう男に嫉妬をした。パパの何がダメなんだ?一太の父親はこの俺だ。体の相性だって悪くないだろう?」
お兄ちゃんの手が背中から脇腹へと感触を確かめるように這っていく。
イヤダ‼
身を捩り、ぶんぶんと首を横に振った。
「そんなに腰を振って。煽ってるとしか思えないぞ」
くくくと冷ややかに笑い、お兄ちゃんの手が下へと滑り落ちていった。
「ちょうどいい。邪魔が入る前に、もう一人作るか?」
スボンの中にお兄ちゃんの指が入ってきて、陰茎のラインを撫で、割れ目の入口の縁を撫でられて。
全身に鳥肌が立った。3年前の悪夢が・・・やっと乗り越えたはずのトラウマが・・・昨日のことのように鮮やかに甦ってきた。
僕はね、遥琉さんとの赤ちゃんが欲しいんだよ。
無理矢理だったとはいえ、実の父と交わり一太を生んだ僕に神様は罰を与えたんだもの。
声を失い、もうなくすものがないのに。
だから、もう止めて・・・
一太と、遥琉さんのところに帰して。
僕の心が壊れてしまう前に、お願いだから・・・
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