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監禁

「イチャイチャしてる場合か」 ガタンとドアが開いて。 思いもよらない人が姿を現したから、腰を抜かすほど驚いた。思わず二度、三度見してしまった。 何で・・・・嘘でしょ・・・ 氷のような冷たい視線を向けられて。背筋が凍りついた。 そんなまさか・・・ 彼が・・・颯人さんが、お兄ちゃんと知り合いだったなんて・・・ 「久し振りだな、未知」 茫然自失する僕を嘲笑いながら見下ろす颯人さん。以前のような優しさも物腰の柔らかさはない。言葉遣いもトゲトゲしていて。別の人になっていた。 「茨木さん」 お兄ちゃんが僕を庇うようにスッと前に座り直した。 「ガキも一緒にここに連れてこい。そしたら、未知をお前にくれてやる。たしかそう約束したはずだ。違うか?」 「それはそうだが、仕方ないだろ。あんなに早く人が来るとは思わなかったんだ」 「ちゃんと下調べしろっと言ったはずだ。相手はあの卯月だ。お前が失敗するのを見越して、手下を張り付けて置いたんだ。職員からガキを力ずくで奪おうとしたんだが・・・まさかな・・・思い出すだけで腸が煮えくり返る」 苦虫を潰したような表情を浮かべる颯人さん。 「何でまた、昇龍会の若いのがいるんだよ!あぁ、忌々しい!」 吐き捨てるように言うと悔しさを滲ませ、地団駄を踏んだ。

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