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番外編 守り守られて生きていく
「まま」遥香にツンツンと服を引っ張られた。そうだコーヒーを淹れないとね。
娘と手を繋ぎ、一旦広間から退出し、台所へ向かった。
自分の家じゃないならどこに何があるか全く分からなくて。ポットを探すのも一苦労。あちこち戸棚を開け、右往左往しながら、やっとインスタントのコーヒーとコーヒーカップを見付けた。
出入口を不思議そうに首を傾げて見ていた遥香。「まま」ツンツンと今度は裾を引っ張られた。
【ん!?どうした?】
指を指した方を見たけれど誰もいなかった。
気のせいかなと、そのときはさほど気にも止めなかった。
コーヒーをトレイに乗せて広間へ戻ると笹原さんの姿はなかった。その代わりに、裕貴さんと一太がいた。
一太も名刺をもらったみたいで、ニコニコしていた。
「まさか遥琉に隠し子がいたとは、びっくりした」
「ワシもだ」
福井さん、それには事情があって・・・
「どうりでパパにそっくりな訳だ」
お義父さんはあえて詳しくは説明しなかった。触れなかった。
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