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番外編 焼きもち妬きの彼
「俺はただ、未知や子供たちと離れたくないだけだ」
少し乱暴に肩を抱き寄せられた。温かな広い胸に顔を擦りつけると、大好きな彼の匂いがした。
「これだから焼きもち妬きは困るんです」
「五月蝿いな」
「未知さんたちを守るためです。いい加減諦めて下さい」
やれやれとため息をつく橘さん。
「どっかの誰かさんを見ているようです」
信孝さんのところに身を寄せることに一時は賛成してくれた彼。でもすぐにそれを撤回した。
「カレンさんも、尊さんも何を企てているか分からないんですよ。未知さんを一日中家に閉じ込めておくつもりですか⁉」
「そういう訳じゃ・・・」
「度会さんも責任をもって警護にあたる、そう言ってくれているんですよ。折角の申し出を無下に断るつもりですか?」
橘さんも負けじと、懸命に彼を説得してくれた。
「今、何て言いました?」
彼がなにかをボソボソと呟いた。それを橘さんは聞き逃さなかった。
「そのために心さんを同行させるんです。未知さんに悪い虫がつかないようにする為に。そんなに心配ならあなたも付いていったらどうですか?」
「それが簡単に出来るのなら、いちいち悩まないよ。それよりも橘。お前いつまでここにいるんだ?」
「邪魔はしていないはずですよ」
苛立ちを募らせる彼に対し、橘さんはけろっとしていた。
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