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番外編 焼きもち妬きの彼
「頼むからあまり煽らないでくれ。その、我慢が出来なくなるだろう」
困ったように苦笑いされた。
【そんなつもりじゃあ……】
耳まで真っ赤になり、そのまま口籠もると、そこにチュッと口付けられた。額に、両方の頬に、鼻先に。そしてまた唇に。
「未知ーーいい?」
熱を帯びた眼差しで見詰められ、みるみるうちに身体が熱くなっていく。
彼のシャツを握り締めたまま、ぽうっとしていたら、頤をそっと掬われ口付けられた。
【ん……っ】
唇が触れ合った瞬間。
身体の奥から一気に熱が込み上げてきて、全身がさざめいた。
【んっ……ん……】
入ってきた舌に口内を探られ、それに夢中で応じていると、ベットに寝かされ、下着以外の衣類をあっという間に脱がされた。
「未知……」
【そんなに驚かないでよ。遥琉さんでしょ、これを身に付けろって言ったの。だから、その……じろじろ見ないで……】
恥ずかしくて彼とまともに顔を合わせられなくて。伏し目がちになり、膝頭を擦り合わせた。
女性もののピンクのショーツ。サイドにはリボンが付いている。
千里さんの差し金なのは薄々感じてはいたけど、まさか、本当にプレゼントされるとは思わなくて。しばし固まってしまった。
「嬉しいよ、ちゃんと身に付けてくれたんだ。すごく可愛い」
満面の笑みを浮かべながら、彼も肌を晒し、膝を割りながら、折り重なってきた。
「未知、こっち見て」
見詰め合い、抱き締め合って、何度も何度も口付けを交わすうち、しだいに頭がぼおっとしてきて、目がトロンとしてきた。
「そんな顔をされたら歯止めが効かなくなるだろ?」
クスリとまた笑われてしまった。
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