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番外編 新しい生活がはじまり、ママ友と出会い、そして・・・・

「少し横になった方がいいよ」 ナオさんに手伝ってもらい、布団に横になるとお腹にそっとタオルケットを掛けてくれた。 「そろそろ帰るね。また明日様子を見に来るね」 ナオさんが立ち上がろうとしたら、すっと音もなく襖が開いて、橘さんが入ってきた。 「えっと……」 橘さんに初めて会うナオさん。目をパチパチしてかなり驚いていた。 「初めまして。未知さんのもう一人の夫の橘です」 にっこりと微笑んで自己紹介する橘さん。 ちょっと待って橘さん!! かなり焦った。冷や汗をかきながら、冗談だからね、本当は親代わりなんだよ。懸命に弁解しようとしたけれど。 「そうなんですね。縣ナオです」 さぞかし驚くだろうと思ったけれど、予想に反し、動じる素振りを全く見せることなく、橘さんの冗談を笑顔で受け流した。 「ナオ、゛縣信孝の妻です゛ってちゃんと言わないと、駄々を捏ねるぞ」 「えぇ!!何でいるの」 橘さんの影からぬっと現れたのはナオさんの旦那様の信孝さん。 すらっと身長が高くて、大人の男性の雰囲気漂わせている。顔の輪郭とか目鼻立ちは遼成より龍成さんに似ている。 まさに絵に描いたような愛妻家でイクメン。 「いて悪いか?」 「別にいても構わないけど……」 決まり悪そうに言葉を濁すナオさん。 耳まで真っ赤にして可愛い。

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