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番外編 新しい生活がはじまり、ママ友と出会い、そして………

「未知、自分の体の変化に気付かんか?」 度会さんに言われて……ハッとした。 一太を授かった時も、遥香を授かった時も、そうだった。悪阻こそなかったけれど、微熱が半月くらい続いて、こんな風に体が怠くて何もする気になれなかった。 「上澤が言うには恐らく妊娠六週から八週くらいじゃないかって。いくらヤブ医者でも、元々産科医だったんだ。間違いない」 上澤先生は、度会さんの主治医。 御年80歳。近所で小さな診療所を開業している。いつもお酒の匂いをぷんぷんさせてて、度会さんにヤブ医者って呼ばれている。 「うちの組はもともと昇龍会の三次団体だった。それを直参として引き上げてくれたのが上総や遼禅だった。だから二人から、遥琉の嫁と孫を匿ってほしいと頼まれて、二つ返事で引き受けたんだ。それに現役だった頃の遥琉には随分と世話になった。今の生活があるのも遥琉のお陰なんだ。恩を仇で返すわけにはいかないだろ?だから命に変えても未知や子供たちを守ろうと決めたんだ」 普段、怖いくらい憮然面している度会さんの表情がいつになく和らいでいた。 「え!?妊娠って……未知が?嘘、信じられない。本当!?」 「上澤先生の見立てに間違いはない」 突然のことにナオさんかなり驚いていた。 「よく分かんないけど、おめでとう未知!!」 【ありがとう……】 嬉し涙が一筋頬を伝った。 手の甲でごしごしと拭って、なんのへんてつもないまっ平らなお腹にそっと手を置いた。まだ全然実感が沸かないけれど、新しい命を授かることが出来たんだ。 彼との赤ちゃんがここにいる……にわかには信じられないけれど、でも言葉にならないくらい嬉しい。

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