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番外編 橘さんの結婚

首筋に残るキスマークの跡にすぐに気がつき、指先でそろりと撫でる裕貴さん。 「弓削は酒が入るとキス魔になるんだ。これ見よがしに人のモノにキスマークを付けてやがって。帰ってきたらぶっ殺してやる」 「裕貴、それだけはだめ‼」 「何でヤツを庇うんだ⁉俺よりそっちが良くなったか⁉」 「そんな訳ないでしょう。弓削はみんなの前で、茶番に付き合ってくれって頭を下げてくれたんだよ。こうしてここにいれるのも、度会さんや弓削のお陰でしょう」 心さんの必死の訴えに、それまで固かった裕貴さんの表情が少しだけ和らいだような気がした。 気がしただけで実際はーー 「弓削にこの体、どこまで許したんだ⁉」「本当にキスだけか⁉」「柚原ともしたんじゃないか?」いつものように焼きもちを妬き、心さんを質問攻めにした。 「僕がエッチしたいのは裕貴だけなのに、なんで信じてくれないの⁉浮気なんか一切していないのに……」 急に泣きはじめた心さんに、それでも疑いの目を向ける裕貴さん。 「ちょっと!!」彼の冷眼に耐え切れなくなった千里さんが二人の間に割って入ろうとした。そのとき・・・ーー

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