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SS橘さんと柚原さん
そっと手を絡ませるとにこっと微笑んで、嬉しそうに握り返してくれる。
それだけじゃない。
「…………了、誓…………さん」
呼び慣れていない俺の名前を、これまた恥ずかしそうに口にする優璃がまた可愛くて。
たまらん。
やっと俺だけのものになってくれた。
実感することができるまさに至福のひとときだ。
俺だけのもの?
いや待てよ。まだ俺ら肝心のアレがまだだ。
目下通い婚で、毎日優璃の所に通う毎日。
それが結婚の条件の一つだったから。
新婚早々倦怠期嘘だろ?
でも肝心のアレ、つまり初夜自体ずっとお預けを食らったままだしなぁ。
《遥琉さんダメ・・・・・あぁ、あっ》
《あぁぁん・・・・・・やっぁ、ぁぁ・・・・》
遥琉のあのデカイモノで華奢な体を貫かれ、シーツを両手で握り締め、喘ぎ悶える未知の声を聞くのが優璃は好きだ。
というより安心するらしい。
だってそうでしょう。未知さん以外の女の体内に遥琉の子種はもう必要ありませんから。
表情ひとつ変えず淡々と答えた優璃に、笑顔が凍りついた。
あれから何かと理由を付けられ、邪魔が入ったりで。
「どうしました?」
優璃に怪訝そうに見られ、ハッと我に返った。
正直に言うべきなんだろうな。何事も最初が肝心だってよくいうし。
よし決めた‼
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