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番外編七か月後

「湍水組は九鬼総業の直参で、九鬼さんが昔取り仕切っていた組です。九鬼さんが失脚したあと、新たに組長に就いた本部長と盃を交わすのを拒否し、組織から離脱したんです」 話しに全くついていけず首を傾げていたら、橘さんがそっと教えてくれた。 「湍水さんと遥琉とは、昔、まぁ色々とありまして、いわば因縁の間柄です」 橘さんがププッと思い出し笑いをした。 翌朝、橘さんに手伝ってもらいおっぱいとミルクを交互に太惺と心望にあげていたら、昨日、何で思い出し笑いしたか、その理由を話してくれた。 「昔、湍水さんと遥琉は、ある女性を取り合ったことがあるんです」 「ちょっと待て‼それ以上言ったらぶっ殺す」 彼ががばっと飛び起きてそわそわしはじめた。 「未知さんは心が広い方なので、貴方の過去の女性問題でいちいち目くじらを立てませんよ。現にカレンさんだって許したでしょう。それなのに誰かさんは、颯人さんを今だに許そうとはしていないでしょう」 「うっ………」 一切手加減しない橘さんに早くも降参気味の彼。 「何度も申してますが、大事な授乳の時間を邪魔しないで頂けますか?」 「だってぇ………」 唇をつまみ不貞腐れる彼。 遥香の時も、ママのおっぱいはもともとパパのモノなんだって大騒ぎして駄々を捏ねていたけれど、今回も同じ。全く変わってない。 「未知さんの胸ばかり物欲しそうに眺めていないで、一家の長として少しはしゃきっとしてください。不甲斐ない貴方の姿を見たら舎弟たちはどう思うでしょうね」 橘さんがほとほと困ったような表情を浮かべ、困ったパパですね、太惺に話し掛けながらため息をついていた。

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