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SS 一太と彼の悪友さん

「あのね、おじちゃん」 彼よりも背が高い男性に一太は臆することなく声を掛けた。 「何だ?」 「いちたのパパとたちばなしゃんにめっされるよ。あのねおじちゃん、ママはねあかちゃんのママで、パパはいちたのパパなんだよ」 「そうなのか」 「うん!あかちゃんにママ、ちゃんとかえしてね」 「おう」 ママを取られた!普通は焼き餅を妬いて大駄々するのに………一太はママよりパパッ子だから。 お腹の子にもさほど焼き餅を妬かず、ママを貸してあげるねってニコニコしてお腹をなでなでしてくれた。 「パパ」一太は僕のことなどお構いなしで彼のところに一目散に駆けていった。 「パパ、あっぷちない」 椅子に座る彼の膝の上によいしょとよじ上ると頭をなでなでし始めた。 「パパにはいちたがいるでしょう。だから、ちゅのだちゃないの」 焼きもちを妬きたくても妬けなくなった彼。一太をムギューッと両手で抱き締めてくれた。

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