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番外編 お祖父ちゃんとリーさん
「リーさんの言うことが聞けないのか!」
「黙ってないでさっさと答えろ!」
リーさんと同じく顔の濃い強面の男たちがベットをぐるりと取り囲んだ。力ずくでも遥香を奪うつもりだ。
自分はどうなっても構わない。
子供たちを何としてでも守らないと。
「おいでお嬢ちゃん」にこにこと優しい笑顔を浮かべ右手を差し出すリーさん。でもその目は笑っていなかった。
【遥香、絶対に付いていっちゃダメ!】
娘の腕を掴み引き戻した。
「ガキをこっちに寄越せ」
「リーさんに楯突く気か」
男たちが凄みをきかせ声を荒げた。
それまで泣いていた心望と太惺は、その声にびっくりしたのかピタリと泣き止んだ。
「いやだ!はなちて!」
色黒の太い腕が音もなくすっと伸びてきて、むんずと遥香の首根っこを掴むとそのまま持ち上げた。
「手を離せ、さもなければそっちのガキの首をへし折るぞ」
ジロリと冷たい目で見下ろされた。
お願いだから遥香を離して!
僕が代わりに人質になって、真沙哉さんを逃すように彼を説得するから、だからお願い。
遥香を離して。
心望、太惺もごめんね。
不甲斐ないママで………抗うことも何も出来ない情けないママで………
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