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番外編 お祖父ちゃんとリーさん

神様………僕はどうなっても構わないから、子供たちだけでもどうか助けてください。 目が見えなくなっても構わない。 耳が聞こえなくなっても構わない。 声を失い、喋れなくても生きてこれたのは、大好きな彼や子供たち、そしてこんな僕でも支えてくれるたくさんの人に巡り会えたから。 遥琉さん、かけがえのない大切な宝物と、キラキラと輝くたくさんの思い出をありがとう。気色悪い僕を好きになってくれてありがとう。 一太も、遥香も、太惺も、心望も産まれてきてくれてありがとう。 「ーーーはるか、を………かえし、て……」 感謝の思いが胸一杯に広がり、ごく自然に声が………失くしたはずの声が零れ落ちた。 「ママがしゃべった」 遥香がびっくりして目を丸くし、 「はなちて!」 手足をバタつかせおっきな声を上げ、娘なりに必死に抵抗した。 なんだろう………? 何気に枕の下に手を伸ばすと、折り畳み式のナイフがあった。これって遥さんのだ。 何でこんなところに……… もしかして琥珀さんがわざと……… 藁をもつかむ思いでそれを右の掌に握り締め、高く掲げた。

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