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番外編 琥珀さんと鞠家さん

「もしかして鞠家か⁉」 「遥琉、久し振りだな」 穏やかな低い声だった。 「琥珀の見合い相手ってまさかお前なのか?」 「俺で悪かったな」 ねぇ遥琉さんの知り合い?裾を掴みツンツンと引っ張った。 「あぁ高校の時のクラスメイトだ。悪友の一人だ」 「悪友って、そんな紹介の仕方があるか。那奈の弟とデキちゃった再婚して、4人も子供がいるって風の噂で聞いたが………君がそうか。オレは鞠家高行だ」 「えっと卯月未知です。この子は心望です」 ペコっと頭を下げた。 「田園風景が広がる田舎でのんびりと過ごすのが長年の夢で、弟と妹が一人立ちしたら移住するつもりでいたんだ。仕事はどこでも出来るからな。琥珀いつでも連絡を寄越せ」 すっと立ち上がると心望の頭を撫でてくれて、千里さんと裕貴さんに挨拶し客間を後にした。 琥珀さんは身動ぎ一つせず手元の電話番号とメルアドが書かれたメモをじっと見詰めていた。 「マー、えっと・・・・何だっけ⁉ま・・・・」 「鞠家さん?」 「うん、日本語、難しい」 「いい人、分かる。茨木さんが俺にって探してくれた。兄貴の知ってる人。でも・・・」 そこで言葉を止めるとギュッと上唇を噛み締めた。

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