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番外編 ママ、一太がいるから大丈夫だよ
「ママ、いちたがいるからだいじょうぶだよ」
二人揃ってお手手を万歳しお昼寝する太惺と心望の寝顔を、ぼんやりと眺めていたら一太に励まされてしまった。
「ごめんね一太」
「ママはわるくない。いちたがママやたいくんやここちゃんまもるから、だからね、ママわらって」
僕を少しでも元気付けようと一太なりに考えたのだろう。にこにこと屈託のない笑顔を見せてくれた。
スマホはここに着く前に地竜さんに取り上げられた。
その前にバレないように彼のスマホに二度電話を掛けた。GPSがこの辺りを指し示してから途切れてくれるように神様に祈った。
勘の鋭い彼のことだから、それを手掛かりに僕達のことを探しだしてくれるはず。
「未知、お腹すいた」
車椅子を押しながら真沙哉さんが姿を見せた。
「朝も昼も食べないから。当たり前」
ぷいっとそっぽを向き、ぶっきらぼうに答えるマーナオさん。
「毎日味気のない弁当なんだ。温かければまだしも冷たいし」
二人の会話を聞いていた一太のお腹がぐぐ~と鳴った。
「いちたもおなかすいた」
「そうだね、何か作ろうね」
一階に厨房があると聞いて借りることにした。ガス、水道、電気が止められてなくて助かった。
揃いも揃ってみんな無愛想で寡黙で。
買い物を頼むのも顔色を伺いながらおっかなびっくり。
マーナオさんはというと、僕を監視しながらずっと片手でスマホを弄っていた。
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