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番外編 それぞれの愛のかたち
鞠家さんにどこに行きたい?と聞かれ、一度も行ったことがないからと、我想去游乐场(遊園地に行きたい)と答えた紗智さん。
「鞠家さんすみません。折角のデートだったのに………」
「紗智が側にいてくれればそれでいい。それに賑やかな方が楽しいし。遥香、何に乗りたい?」
「えっとぉ~~」
鞠家さんと紗智さんに手を繋いで貰い、久し振りに遊びに来た遊園地に大はしゃぎの遥香。
市内には開園31年目を迎えたドリームランドという遊園地がある。夏期限定営業のプールの他、アリーナや室内遊び場が敷地内にあり、雲一つない空のした、大勢の家族連れや幅広い年代のお客さんで賑わっていた。
「ハルちゃんもいきたい。まりしゃん、だめ?」
鞠家さんという発音が難しくて、まりしゃんと呼んでいる遥香。
二人が出掛けようとしたら一緒に行きたいと急に言い出した。
「あとでみんなで一緒に行こう」
「ヤダ。さっちゃんとまりしゃんといっちょがいいの」
ブンブンと首を横に大きく振った。
「それならみんなで行かないか?那和も、紗智と同じで遊園地に行くの初めてみたいだし。遥琉、橘どうだ?」
「それではデートにならないだろう」
「いいんだ」
鞠家さんは、さっちゃんとはなれたくないと言わんばかりに紗智さんの足にしがみつく遥香を腰を屈めて笑顔で覗き込み、優しく頭を撫でてくれた。
結局みんなでドリームランドに出掛けることに。
遠目でもかなり目立つ僕達を見る回りのお客さんの視線が少し痛い。
すれ違い様にチラッと見ては、すぐに視線を逸らし、そそくさと足早に通りすぎていった。
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