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番外編 それぞれの愛のかたち

それから数分後ーー 「心望、気のせいか?パパみんなに見られているような気がするんだが……」 ぐすりはじめた心望を扉の近くであやしていた彼の動きがピタリと止まった。 「そりゃあまぁ、普段は未知や橘に任せっきりだけど、俺だって子守りくらい出来る。そんな目で見ないでくれ」 気恥ずかしいのかわざとらしく咳払いしていた。 「そんなんじゃないの」 太惺を抱っこした千里さんと、心さんが彼に静かに歩み寄った。 「お兄ちゃんがね、一緒にバージンロードを歩いて欲しいって」 「は?」 よっぽど驚いたのだろう。彼の声は裏返っていた。 「普通は俺より茨木さんだろ?」 「本当、遥琉ってさぁ~~恋するオトメの気持ちが全然分かってないよね~~お兄ちゃんはね、ずっーーーと、遥琉が好きだったんだよ。柚原と一緒になっても、まだ遥琉が好きだっていう想いを引き摺ってる。それを吹っ切るために、一緒に歩いて欲しいって言ってるの」 「ここちゃんは僕が見てるから」 心さんが両腕を伸ばした。

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