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番外編 あなたが俺を忘れてしまったとしても、俺はあなただけを愛し抜く

「何で………」 最初信じられなくて、夢じゃないかと思った。 「可愛い妹と、甥っこと姪っこ達が危ない目に遭ってるのよ。姉として駆け付けるのが当たり前でしょう」 「そうだよ未知。裕貴がね、早く未知を助けに行けって煩くてさぁ……いつもならどこに行くにも一緒じゃないとダメだって駄々を捏ねるのね、俺が留守番をしているから、そう言って送り出してくれた」 「千里さん、心さん………ありがとう」 「礼なんかいらないわよ」 千里さんと心さんが笑顔を見せながら鼻をズズっと啜った。 「あれ?せんりおねぇたん?ここにいたん?」 遥香が目を覚ました。あくびをしながら二人をしばらく見詰めたのち、驚いたように目をパチパチさせながら飛び起きた。 「あれ?なんで、なんで」 ハイハイで二人に駆け寄った。 「あっ!わかった!ハルちゃんにあいにきたんだ」 「うん、そうだよ」 心さんが涙を手の甲でごしごしと拭い、遥香を抱き上げてくれた。 「ハルちゃん、ここにいたんちゅき!」 「僕もハルちゃんが好きだよ」 ちょっと焼きもち妬きで寂しがりやの彼に妬かれない程度に好きだよって小声で付け加えた。 「ちょっとじゃないでしょう」 千里さんがクスクスと苦笑いしていた。 お兄ちゃんが引き金を引いたまさにその時。 男の背後にスカルさんが現れて。 男が手にしていた銃を取り上げると、額に向けて銃口を捩じ込ませた。 男は軽快な動きでさぁと身を翻ると、風のように忽然と姿を消した。

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