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番外編 尽くす愛
「ママタン、おちごとおわった?」遥香が元気に駆け込んできた。
「ハルちゃん、パパ達まだ大事なお話しをしているから、ここちゃんの所に帰ろう」
太惺を抱っこした千里さんがそのあとを追い掛けてきた。
「ハルちゃん、パパよりママタンがいい」
橘さんの後ろに隠れると、足にしがみつきぶんぶんと首を横に振った。
「あとは私が面倒をみます。ハルちゃん、一緒にご飯を食べて来ましょう」
「はぁ~~い‼」なかなか橘さんを一人占め出来なくて、ブスくれてばかりいる遥香。ニコニコと笑顔を振り撒きながら、仲良く手を繋ぎ、食堂へと向かった。
「未知もお腹が空いただろう。少しだけ食べてきたらどうだ」
僕も彼から離れたくなくて、静かに手を伸ばした。
そっと遠慮がちに指先を彼の指に絡めると、驚いたように一瞬目を見開き、それから嬉しそうに微笑んで、恋人繋ぎしてくれた。
「ちょっと‼たいくんが妬いてるわよ。ママはぼくのでちゅって、ねぇ」
「たまにはいいだろう。未知に甘えても」
「たまにはっていつもじゃない」
千里さんに痛いところをつかれ、グーの音も出ない彼。返す言葉もなく黙り込んでしまった。
そんな二人のやり取りを呆気に取られながら見ていた蜂谷さん。何気に千里さんと目が合った。
「いゃぁ~~ん、そんなに見ないで。渋めのダンディーなオジサマに見られたら、アタシ、恥ずかしくてどこを見ていいか分かんなくなっちゃう」
千里さんが甲高い黄色い声を上げた。
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