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番外編 ごめんね、

少しだけふっくらしてきたおなかを擦りながら起き上がろうとしたら、未知‼彼が血相を変えて駆け寄ってきた。 「一か月近く入院していたんだ。無理をしない方がいい」 心配しなくても大丈夫なのに。体はどこも痛くないし、おなかだってもう痛くないのに。 「先生にも言われただろう。安静にしてろって。一太、遥香、千里と心が遊びに来てくれたぞ」 「せんりおねえちゃんと、こころおにいちゃんだ‼ハルちゃんいこう」 一太が遥香の手を握り寝室に入ってきた。紗智さんと那和さんも一緒だ。 「また見ないうちに大きくなって。すごく格好いいよ」 「いちたのじいじとばあばが買ってくれたんだよ」 「そっか良かったね」 「うん‼」弾けるような笑顔を見せる一太に、千里さんと心さんの表情が緩みっぱなしになった。 「たいくんとここちゃんはおさんぽ。ままたんとぱぱたんがいいって、いっぱいないてたんだよ」 「そっか」 千里さんが前屈みになり二人の頭を撫でてくれた。 ママはね、一太とハルちゃんとたいくんとここちゃんのママで、パパの大好きなママなんだよ。 火事のあと緊急搬送された市民病院で丸一日眠り続けていたと彼が話してくれた。 切迫流産の恐れがあるから絶対安静でと先生に言われそのまま入院した。一太や遥香が毎日お見舞いに来てくれて、僕が誰なのか一生懸命教えてくれた。 ままたんがママの親代わりの橘さん。 ぱぱたんが橘さんの大事な人。 たいくんとここちゃんは、まだちっちいから、ママに会いに来れないけど、ままたんとぱぱたんとお家でお利口さんしてお留守番してるよ。 こにいるみんなは、ママの味方だよ。だから安心して。 彼と一太に同じことを言われた。 ここにいるみんなは僕の味方。そう、だからもう何も怖れることはないんだ。

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