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番外編 ごめんね、
「焼きもちを妬かないって言ったのに」
「あ?そんなこといつ言った?」
「ついさっき言ったよ。那和、千里助けて‼」
むっつりした表情を浮かべる彼に、紗智さんはそそくさと逃げ出した。
「ちょっと遥琉、アタシの可愛い弟をいじめないで‼」
「五月蝿いな」
舌打ちをしぷいっと顔を逸らす彼。
その表情は、たまに思い通りにならなくて不貞腐れる一太にソックリで。
やっぱり親子だ。
ぷぷっと思わず吹き出したら、笑うことないだろう、憮然面で睨まれてしまった。
ごめんなさい、悪気が合った訳じゃないの。謝っていたら無意識に腕輪に目がいった。
もしかして、その人は那和さんがヒントを出してくれた人と同一人物かも知れない。
どんな人なんだろう。一度でいいから会ってみたいな。間違いなく彼に焼きもちをたくさん妬かれると思うけど、何で記憶を無くしたか、声を失ったか、何でもいいから知りたい。
だって彼や橘さんに聞いても、何も教えてくれないんだもの。
紗智さんと那和さんは二人から口止めされているみたいで、何を聞いてもごめんね、分からないの繰り返し。
「あらら、また随分と賑やかね」
「おぃおぃ子供の前でみっともないぞ」
和江さんと惣一郎さんが子供たちにおやつを持ってきてくれた。
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