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番外編 新たな敵、炎竜(イェンノン)
「茂原、止さんか」
蜂谷さんと玉井さんが血相を変えて駆け付けてくれた。
「未知は関係ない」
「伊澤にもそう言われたはずだ」
「じゃあ聞くが、何で地竜と同じ腕輪をしているんだ?」
「未知はヤツの妹みたいなものだ」
蜂谷さんが目で彼に合図してくれて。
行くぞ、彼に手を引かれログハウスに急いで戻った。
ねぇ、ねぇ、遥琉さん。
ツンツンとシャツの裾を引っ張った。
「彼は茂原。鞠家の元同僚だ」
元同僚ってことはつまり………
鞠家さんって刑事さんだったの?
目を丸くして彼を見上げると、
「そんなに驚くことでもあるまい」
クスリと笑われてしまった。
「鞠家さん達がこっちに向かっています」
橘さんが出迎えてくれた。
光希さんは遥香や太惺、心望にさっそく掴まって那和さんと一緒に遊び相手をしてくれていた。
「悪いな橘」
「今いいところなんだと、邪魔されてかなり怒ってましたけど、茂原さんの名前を聞くなり声音が変わりました。未知さんをヤツに絶対に会わせるな、ヤツの言うことは絶対に信用するなと」
「そうか………」
何か心当たりでもあるのかな?彼の表情が険しくなった。
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