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番外編 真の黒幕
「どうした未知?」
彼にスマホを見せた。
「未知、那和、紗智、中に入るんだ」
彼に急かされ中に入ると鍵をしっかり掛けてからカーテンをさぁっと引いた。
「柚原、柚原はいるか?」
名前を呼ぶとすぐに柚原さんが駆けつけた。
「組の若い者を連れて、至急鳥飼のもとに向かえ。罠かも知れないから用心しろ」
メールの内容を見るなり柚原さんの表情が引き締まった。
「勘の鋭い鳥飼のことだ。もしかしたら黒幕の正体に気付いたのかも知れないな」
鳥飼さんや柚原さんが心配で結局一睡も出来ないまま朝を迎えてしまった。
子供達のあどけない寝顔を眺めていたら、服の上からゾクゾクと寒さが差し込んできて思わずぶるっと体を震わせると、 背後から彼の逞しい腕が回ってきて、そのまま抱き締められた。
「心配なのは分かるが、少しは寝たらどうだ?」
ねぇ遥琉さん。
上目遣いで彼を見上げると、ごほんとわざとらしく咳払し慌てて目を逸らされた。
「あまり煽らないでくれ。興奮して鼻血が出そうだ」
苦笑いされてしまった。
僕、何かした?
きょとんとして首を傾げると、
「だからそれが反則なんだよ」
おでこに軽くチュッと口付けされた。
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