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番外編 哀しき邂逅

「あの・・・・地竜。普通さぁ、俺、橘じゃねぇのか?」 「だって、橘は最強のままたんだぞ。橘がいないと、何も出来ないだろう。橘がいるからこそ安心して仕事が出来るんだろう。違うか?」 地竜さんにここぞとばかりに耳の痛いことを言われ、彼はグーの音も出なかった。 「最強のままたんですか?誉め言葉としてありがたく受け取っておきますね」 橘さんがひょっこりと顔を出した。 「一太くんの迎えに行ってきます。留守を頼みます」 「なんだもう帰ってくるのか?10時半を過ぎた頃だぞ」 「は?昨日配布された学年だよりにちゃんと目を通しましたか?今週いっぱいは、給食がありませんので11時下校ですよ」 「そうなのか?」 「自分の息子の下校時間くらいちゃんと頭に叩き込んで置いてください。炎竜がいるということは、すぐ近くにダオレンがいるって事なんですよ。それ、ちゃんと分かってますか?」 遥琉さん、橘さんを怒らせたら駄目だって。 二倍ならぬ、十倍になって返ってくから・・・・・ 仲よくいつものように痴話喧嘩をはじめた二人。そのやり取りを地竜さんは笑いを堪えながらも嬉しそうに眺めていた。 「卯月が橘に怒られている姿を見ると、うちに帰ってきたってしみじみ思うよ。橘、俺も一太の迎えに行きたい。駄目か?炎竜もダオレンも神出鬼没だ。逃げ足も早い」

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